親の介護が始まる前に確認したい、相続とお金の準備

親の介護が始まる前に確認したい、相続とお金の準備

親が元気なうちは、介護や相続の話はなかなか切り出しにくいものです。 しかし、介護が必要になってから慌てて確認しようとすると、老人ホームの費用、介護サービスの契約、銀行口座、保険、不動産、相続手続きなど、家族だけでは判断しにくい問題が一度に出てくることがあります。

特に、親の判断能力が低下してからでは、預金の管理や不動産の売却、施設入居の契約、相続に関する話し合いが難しくなる場合があります。

そのため、介護が始まる前の段階で、家族でお金と相続の基本を整理しておくことが大切です。

介護が始まると、まずお金の確認が必要になる

介護で最初に気になるのは、毎月どのくらい費用がかかるのかという点です。

在宅介護を続ける場合でも、訪問介護、デイサービス、福祉用具、住宅改修などの費用が発生します。老人ホームや介護施設を検討する場合は、入居一時金、月額費用、医療対応、食費、管理費なども確認が必要です。

家族が早めに確認しておきたい項目は、主に次のようなものです。

  • 親の年金収入
  • 預貯金の残高
  • 加入している保険
  • 持ち家や土地などの不動産
  • 毎月の生活費
  • 介護に使える予算
  • 兄弟姉妹での費用分担

介護費用は長期化することもあります。

最初は在宅介護で対応できても、身体状況や認知症の進行によって、途中から施設入居を検討する家庭も少なくありません。

老人ホームを選ぶ前に見ておきたいこと

老人ホームや介護施設を探すときは、費用だけで決めるのではなく、本人の状態や家族の通いやすさも含めて考える必要があります。

確認したいポイントは以下です。

  • 要介護度に合っているか
  • 認知症への対応があるか
  • 医療対応が必要な場合に受け入れ可能か
  • 月額費用に何が含まれているか
  • 追加費用が発生しやすい項目
  • 家族が面会しやすい場所か
  • 入居後に状態が変わった場合の対応

費用が安く見えても、介護度が上がったときに追加費用が増えることがあります。

逆に、最初の費用は高く見えても、医療や介護体制が整っていて家族の負担が軽くなるケースもあります。

介護と相続は別の問題ではない

介護の話をしていると、自然に相続の問題にもつながります。

たとえば、親の預金を誰が管理するのか、介護費用をどの口座から支払うのか、持ち家を将来どうするのか、兄弟姉妹で費用をどう分担するのかといった問題です。

親が元気なうちは家族で話し合えますが、認知症などで判断能力が低下すると、銀行手続きや不動産の処分が簡単にできなくなることがあります。

そのため、介護の準備と同時に、次のような相続関連の確認も進めておくと安心です。

  • 財産の一覧
  • 銀行口座や証券口座
  • 生命保険
  • 不動産の名義
  • 借入金やローン
  • 遺言書の有無
  • 相続人になる家族
  • 家族間で意見が分かれそうな点

成年後見を検討する場面

親の判断能力が低下した場合、家族であっても本人の財産を自由に動かせるわけではありません。

預金の引き出し、不動産の売却、施設入居に関する契約などで、成年後見制度が関係することがあります。

成年後見は、本人の財産や生活を守るための制度ですが、手続きや管理には注意点もあります。

必要かどうかは家庭の状況によって異なるため、早めに司法書士や弁護士などに相談して確認する家庭もあります。

家族で早めに話しておきたいチェックリスト

介護や相続の話は、いきなり細かい手続きから始めるよりも、まずは家族で確認しやすい項目から整理すると進めやすくなります。

  • 親は将来どこで暮らしたいか
  • 在宅介護を希望するか、施設も検討するか
  • 介護費用はどの資金から出すか
  • 兄弟姉妹でどのように役割分担するか
  • 通帳、保険証券、不動産書類はどこにあるか
  • 認知症になった場合の財産管理をどうするか
  • 相続で揉めそうな財産はあるか
  • 遺言書を作る必要があるか
  • 専門家に相談すべき内容はあるか

すべてを一度に決める必要はありません。

ただし、何も話さないまま介護が始まると、家族の誰か一人に負担が集中しやすくなります。

専門家に相談した方がよいケース

家庭内で整理できることもありますが、次のような場合は専門家に相談した方が安心です。

  • 不動産がある
  • 相続人が複数いる
  • 兄弟姉妹で意見が分かれている
  • 親の判断能力に不安がある
  • 遺言書を作りたい
  • 成年後見を検討している
  • 介護費用の負担で揉めそう
  • 相続税や名義変更が気になる

相続全般の相談は弁護士、司法書士、税理士など、内容によって相談先が異なります。

たとえば、不動産の名義変更や成年後見は司法書士、相続トラブルは弁護士、相続税は税理士が関係することがあります。

まとめ

親の介護は、ある日突然始まることがあります。

そのときに必要になるのは、介護サービスの情報だけではありません。お金、施設選び、財産管理、相続、成年後見など、家族で確認すべきことが多くあります。

大切なのは、問題が起きてから慌てるのではなく、親が元気なうちに少しずつ話し合っておくことです。

介護と相続の準備は、家族を不安にさせるためのものではなく、将来の負担を減らすための確認作業です。

不動産、相続人、認知症、介護費用の分担などで不安がある場合は、早めに専門家へ相談し、家庭に合った進め方を確認しておくとよいでしょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。具体的な手続きや判断については、状況に応じて専門家へご相談ください。